たくさんの経験を通して~たんぽぽ組便り~

コロナウイルスの影響により、6月から再スタートとなった幼稚園生活。制限のある中でしたが、子どもたちは心も体も思い切り解放し、友だちと遊び合い、歌い合いながら過ごす事ができました。
今学期は2ヶ月という短い間でしたが、たくさんのことを感じ合い、学んできました。
 お母さんに来ていただき、赤ちゃんのお話を聞き、お母さんが赤ちゃんを大事に守りながら過ごしていることを知り、自分たちも大切に守られてきたことが分かりました。
 またある日、幼稚園で取れたいちごを食べることになりました。いちごの絵本を見ながら、いちごの小さな種はいちごの赤ちゃんで、この小さな種が土に落ちて大きくなり、私たちの食べるいちごになることを知りました。そこで私は「実は私たちも目に見えないくらい小さいところから命が始まった」ことを伝えると、子どもたちから「大事に食べよう」という声が自然と聞こえてきました。私は子どもたちに、「私たちは生きていくと大きくなる。だから命を大事にしないと生きていけない。」と話しました。小さな種から始まるいちごの命と、目には見えないくらい小さいところから始まった自分の命を重ね合わせ、私たちは「大事に生きているのか」「大事に生きるってどんなことだろうか」とみんなで考え合っているところです。
ゾウのうんち(円山動物園のゾウのうんちで作った堆肥)をみんなで触り合ったこともありました。たんぽぽ組の子のお父さんが子どもたちの教育活用にと、持って来てくださったのです。匂いを嗅いだり、ギュッと握ってみたりしました。触っているうちに図鑑を持ってきて本物の象を探している子、人間の体図鑑を持ってきて腸に注目し、自分のお腹を触る子もいました。
このように短い1学期ではありましたが、その中で子どもたちは命を感じ、自分は生きていることを感じ、大事に生きるということはどんなことだろうか、と頭も心もフル回転で学び合いました。どの1日も大切で、子どもたちにとって本当にかけがえのない1日だったのです。
 また、1学期は新しい友達が増えたことや、たんぽぽ組の友だちと歌い合うことを心から喜んだり、今まで遊んでこなかった友だちと遊ぶ中で、楽しさや嬉しさ、ワクワク、ドキドキといった様々な気持ちを共有することができました。私は、友だちと心を揺さぶり合い、刺激し合い、感じ合うことで関係が強くつながり、仲間としてのきずなが生まれてきていると感じました。しかし、友だちとのやりとりは楽しいことばかりではありません。一緒に遊びたいという友だちに「あっちへいって!」と意地悪を言ってみたり、楽しさからつい手が出て、友だちに痛い思いをさせてしまい自分も気まずい思いをしたり、嫌な言い方をして友だちを泣かせてしまうなど、心の中が上手に整理できない時代にあります。たんぽぽ組の1年は楽しいだけでなく、どろどろとした嫌な気持ちをたくさん味わっていく1年です。たんぽぽ組の1年は楽しいだけではなく、ドロドロとした嫌な気持ちをたくさん味わっていく1年です。それぞれが意地悪をしたり、されたり、嫌〜な気持ちを出していきながら、何度も何度も味わっていくことで、友だちを大切にしたいと思ったり、自分を大事にして生きていくことにつながっていくと思うからです。
 これからもたくさんそのような気持ちを味わっていくことと思います。私たちは、子どもたちの姿を見守ったり、時には厳しく関わったりしながら、子どもたちが自分の心と向き合っていく姿を支えていきたいと考えています。保護者の皆様もそのことを覚えて、子どもたちの心を見守っていただけると幸いです。

 1学期も本当にありがとうございました。懇談もできずにきてしまったこと、伝えきれずにきてしまったところ、私の至らない点もたくさんあり、ご迷惑をおかけした部分がたくさんあったことと思います。しかし、保護者の皆さまのご理解によって、ここまで来ることができました。本当にありがとうございました。2学期も子どもたちと思い切り遊びながら、子どもたちに沢山のことを教えてもらいながら、先生方に支えていただきながら、がんばります。2学期もどうぞよろしくお願いします。

カテゴリー: BLOG