学級の様子 ~たんぽぽ~

6月中旬、お部屋にあった大量のダンボールで『かいぞく船』作りが始まりました。数人の子どもたちで声を掛け合いながら作っていきます。

「そっち支えて!」「ロープつかんで!」何人もの子が力を合わせます。
かいぞく船が大きくなり、子どもたちのイメージも広がっていきます。様子を見ていた子たちも加わり、より大きく、さらに細かくなっていきます。



思いを伝え合い、友だちとイメージを共有しながら作っていきました。
貼る所の大きさ、長さによってガムテープの切る長さ、貼る向きを考えるようになったり、布ガムテープ、弱粘テープ、セロテープ...粘着力の違いにも気づきました。ハサミじゃなくても、手でガムテープをちぎれたり小さい物を貼ったり、手先も器用になってきました。

たんぽぽの『皆で作ったかいぞく船!!!




操縦席
戦ったり、冒険をしたり、宝探しをしたり、それぞれのイメージでかいぞくの世界に入り込み、遊びに没頭していきます。「かいぞくメシ(お弁当)」は船の中で食べます。だって私たちはかいぞくだから!どんどん「自分たちの場所」「自分たちの船」という思いが強まっていきます。


敵を倒した後、子どもたちからは「皆ありがとう!」「皆でやっつけたぞ!!」と自然に声が上がります。「仲間がいたから倒せた」「私たちは仲間なんだ」「敵と戦う強い心、体がある」「私たちは強いかいぞくだ」と何度も何度も確かめ合いました。そして、強い敵を倒すための作戦会議や、仕掛け作りが始まりました。敵が船に入って来られないように、仲間だけの合言葉を皆で相談して考える事になりました。


おばけをヒモに吊るして、上に引っ張れば、驚いて逃げていくんじゃない!?
作戦は大成功でした。後日、子どもたちから、「かいぞくでおやつを食べよう」と案が出ました。相談の結果、「金平糖」を皆で食べました。かいぞくの大好物になりました。金平糖を食べ、さらに強い体になった、かいぞく達。強いかいぞくの印としてリストバンドを付け始めます。合言葉、金平糖、リストバンド、たんぽぽ「だけ」の秘密や印を通してより一層仲間意識、繋がりを強めていきました。


ある日、ゆりさんが火を起こして、ウィンナーを焼いてくれました。どんな風に火起こししていたか学級でふり返ってみると、「私たちにも出来るんじゃない!?」となり、挑戦してみる事になりました。だって、強いかいぞくだから!!自分の強い筋肉と、強い仲間がいれば大丈夫。自信満々のかいぞく達です。
海から山へ、冒険の始まり!!


共通の目的に向って動いていく子どもたち。運転手、ライト係、行き先を決める人、荷物を持つ男たち、自然に役割が生まれてきます。


ブロックも、焼き台も、木を集めるのも、マッチも全部チャレンジ、強いかいぞくだから!!


皆で力を合わせて風を送ります。かいぞくだからいっぱいお肉焼くぞ!!
ここでも、荷物やブロック等を運ぶ人、心配そうに見守る人、木や葉を集める人、火をつける人、風を送る人、担任がこぼした焼肉のタレを「皆なめるなよ!」と注意する人...それぞれが自分の役割を見つけ、全員が全力で動いていきます。
焼きあがったお肉を皆でモリモリ食べました。かいぞくメシのおかずやおにぎりを焼いて食べる子もいました。最後はかいぞくの仲間で作った「かいぞくの歌」を歌って、海へ帰りました。

♬さかえかいじゅう倒す~!宝ぬすんでやる~!
 かいぞく強い~!励まし合ってる~!皆仲間だよ~!
 かいぞく強い~!かいぞく かいぞく イェイ イェイ!!♬
(子どもたちが作ったかいぞくの歌です。)

本物の肉を食べ、「これで本物のかいぞくになった」と言った子がいました。約一か月の長い間かいぞくごっこを楽しむ中で、力を合わせて船を作ったり、敵と戦ったり、秘密を作ったり、沢山のイメージを共有し合って仲間を感じていき、最後には「本物のかいぞく」になったたんぽぽ組でした。

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