「遊びの始まり 学びの始まり」(No.1)

入園・進級おめでとうございます。

3月末、最後の預かり保育「おひさま広場」を終え、この一週間、新年度の準備に費やしてきました。最後の「おひさま広場」の日がどこか遠くに感じます。子どもたちは春の雪解け水を存分に楽しんでいましたが、とうとう泥んこ遊びに発展し、冬が終わったのだという喜びと、「幼稚園がこれで終わってしまう」という残念さを噛み締めているようでした。玄関の掲示写真をご覧ください。薄暗くなった最終の6時。迎えにきてくださった家族の前で大泣きする子どもたちがたくさんいました。日の暮れたこひつじ幼稚園の園庭から町内に鳴き声がこだましました。それ程までに幼稚園を楽しみ切った事を嬉しく思いました。

幼稚園は、心や体を存分に動かし、疲れ切るまで子どもらしく遊ぶところです。新学期の初めは、「疲れて起きないので遅れて登園します」という子がいたり、「起きれないでいますので休みます」と連絡をいただいた後、「休むと言ったら、怒るんです」と言って登園してきたりする子もいました。新学期は大きくなった喜びに浸り元気に遊びつつ、生活リズムを整え、自信をもって前に動き出すのです。お子さんの一歩を応援してください。

 

私が年長の担任をしていた時、12月に入り急に寒さが増した雪の降る前、園庭の畑に沢山の霜柱を発見した子がいました。「これはなんだろう」「どうしたんだろう」と関心をもった子たちは、早目に登園をしてきました。2時間もすると解けて無くなるか、小さい子たちに踏まれてしまうからです。

そうなると、のんびりと朝の会をしている場合ではありません。みんなで、朝一番に畑に行って観察しないわけはありません。「氷が土に刺さっているみたい」学級の子どもたちは様々な発見を言葉にしながら夢中になって霜柱の意味を知ろうとします。踏んで音を楽しむ子もいます。「土が凍ったのかもしれない」 「凍ったとしたら、土は固くなるんじゃあないかい?」 「氷が集まってる」 「氷は水だ」 「冬なのに水はどこからやってくるんだろう」子どもたちの研究は続きます。

学級で、分かったこと発表大会が始まります。子どもたちの中に、たくさんのことばが広がります。発表の勇気、喜びも生まれます。友だちに認められる満足感を得ます。

これが私たちの言う遊びです。遊びながら学ぶということなのです。

それから2ヶ月して、柱に印をつけて背の高さを測っていた時、「あっ、『霜柱の柱』と、『この柱』と一緒の柱だね」と言いました。私は思わず、「あの霜柱の氷も背くらべしてたのかもね」と言ってみんなで大笑いしたことを思い出します。

 

いつの日か、大人になるどこかで、「水が、毛管現象で地中深くから吸い上げられて霜柱を形成する」ことを、幼少期に体験した遊びを思い出して、改めて理解をすることになっていくことでしょう。その現象の最後の最後は後で分かればいい。子どもの、無邪気で純粋な興味が尊いのです。

私たちは、子どもの前に立ち、無邪気で純粋な気づきを十分に受け止め、多くの遊びに発展させていき、さらに興味を広げていくことを支えていきます。子どもはただ好きに遊んでいるのではありません。

春の雪解け泥水を顔に塗り「泥パックだ」と知った言葉を口にしつつも、泥はザラザラしてる」 「雪解け水は水より冷たい」 「泥が沁みるジャンパーと沁みないジャンパーがある」など関心を広げながら子どもは、学びゆくのです。

さて、新しい年の始まりです。新しくお二人の教師が加わり、豊かな遊びを通して、多くの学びをさせてゆきたいと、教師それぞれに大志を抱いています。

今年度もよろしくお願いします。

*4月の予定*

7日 始業式

9日 入園式

15日 つぼみ組 学級懇談

16日 ゆり組 学級懇談

17日 たんぽぽ組 学級懇談

21日~5月2日 個人懇談

25日 誕生会