安心をありがとう(NO.7)

「子どもが寝るとほっとする」と言うお母さんがいます。その気持ちはとてもよくわかります。幼稚園でも、午前中、ギリギリ限界まで遊んで、眠くなってお昼寝をする子どもがいます。寝顔を見ると私でさえほっとし、その可愛さにうっとりします。
子どもは生来、一時もじっとしていません。「もうお願いだからじっとして」「お願いよ、しゃべらないで」と叫びたくなることもおありでしょう。

先日は、そのかわいい子どもたちの運動会にご参加いただきありがとうございました。今年は、特に祖父母の方が多くご参加くださいました。本当に嬉しく思います。
ある祖父母さまが子どもたちの躍動を観て、「あーすごかった」「来年は、うちの子も年長さんみたくなるでしょうか」「子どもってすごいですね」などと言って帰られました。子どもは、出番ではない時も、友だちと話をしていたり、道具を運んでいたり、応援していたり、別のことに気をとられて行ってみたりと、全くじっとしていません。これは子どもが持って生まれた内側から湧き起こる強い生きるための力です。誰も教えないのに生まれてすぐにフンガフンガ言いながらおっぱいを吸い、歩き始め、見たもの見たものに触れ、動き回ろうとします。意味もなく、回り道をしたがります。音楽を聴くと、ハッと耳を傾け、身体が、口が、動き出します。ですから、幼児期に抑えられることなく身体を動かし、自由に踊り、大きな声で歌うことは、子どもの本能なのです。こひつじ幼稚園の子どもたちは、毎日運動会を楽しんできましたが、お客様のいる運動会は特別で、張り切ったりドキドキしたりしながら、過ごした時間でした。お客様からのたくさんの拍手は、「子どもが自由に生きたらいいのだよ」「今は、充分に身体を動かしたらいいのだよ」という子どもへのエールに感じ嬉しく思いました。

私は、子どもたちの応援席に座って改めて、お客様全体を観てみました。狭いながらも温かな雰囲気に満ち溢れ、みんなで園児を見守り、用意してくださったポンポンが綺麗に揺れ、「いい幼稚園だなー」「安心するなー」と手前みそではありますが、しみじみと思いました。
この園庭は、子どもたちが日々遊び込む場所です。これまで、こひつじ幼稚園の保護者で、泥んこに汚れた我が子の洋服を叱ったお母さんを知りません。それどころか、うちの子が「どろんこで遊んだ」と喜んでくださいます。毎日汚すことにあきれたお母さんは、たくさん知っています。小さくなった外靴や、洋服を幼稚園にくださり、様々なサイズの外靴や洋服が揃っています。そのおかげで子どもたちも幼稚園のを借りて帰ればいいと、安心して遊べるのです。時々、自分のより借りた靴が気に入って、ずっと履いている子もいます。
子どもが持って生まれた内側から湧き起こる強い生きる力を大いに発揮することができる源は「安心感」です。早かろうと遅かろうと、やっと跳べた縄跳びでも、チャレンジする頑張りにたくさんの拍手をいただける安心と満足が子どもたちの心を躍らせます。その安心感が、次へのステップに向かわせます。
「あー、リレーは負けたけど、1,000%で頑張った。すごくいいチームだった。いい仲間だったんだ!」「最後の運動会が終わった。お客さんはいないけど、明日も1,000%で運動会をするぞ!」と、クタクタの私の横で子どもたちが明るくつぶやくのでした。
運動会の翌日は、雨でしたが、子どもたちの身体はじっとはしていず、ホールで、また運動会が始まっていました。
お家の皆さま、改めまして子どもたちに愛に満ち溢れた大きな拍手をありがとうございました。

*10月の予定*
1日 なにぬねのの日
2日 遠足
3日 フリーマーケット(視覚支援学校交流)
8日・9日 感謝祭
10日 あそびましょ
11日 誕生会
15日 入園願書配布日
16日 避難訓練(不審者)
23日 ゆったりしましょ
25日 わくわく広場受付日
28日 学級懇談会ゆり組・たんぽぽ組
29日 学級懇談会つぼみ組