「乗り越える喜びを」(園便りNO.7)

 

 

「人は皆、いくつもの季節を乗り越え、大人になっていく」と、歌のフレーズによく使われるような言葉があります。どっち道、大人になるのですが、どのように乗り越えたかということが問題です。

「ぽんちきの日」は、みんなで火起こしをしてインディアンパンを焼くのが恒例でしたが、数日の猛暑に危険を感じて取りやめにし、夏休み中の友だちとの再会や、小学生との交流で、いい経験を重ねられたらとの願いで計画を立てました。そんな折、ゆり組の学級代表である田坂さんから、「保護者の皆さんでスイカをプレゼントして下さる」という話を伺いビックリ。なんと珍しいくらい大きな富良野のスイカが、美しい箱入りで5玉も届いたのです。

当日は、気温が高くなる前に、園庭で、3歳児から小学生までの全員リレーを楽しみ、みんなで踊りました。室内に入り、ヨーヨーすくいとヨーヨーゲームを楽しんでから、全員でスイカ割りにチャレンジしました。大声で応援したり、大笑いしたりして楽しい時間を過ごし、その後みんなでごちそうになりました。本当においしいスイカで、子どもたちは大喜び。お陰様で温かでおいしい時間を、楽しく無事に乗り越えたことでした。この場を借りて、皆様に心からお礼を申し上げます。

「いくつもの季節」という時、それは何も四季に限ったことではありません。「粘り強くがんばる時」「じっくり考えて取り組む時」「友だちと力を合わせることを学ぶ時」など、個々の発達に応じたチャレンジに例えることもできます。私たちは、出来るだけ多くの「いくつもの季節」を子どもたちに出会わせ、「乗り越えた」という実感を味わわせたいと願っています。

年長になって、悩んで自分の心を見つめ、様々な情報を受けとめ、やっと決心して、初めてお泊り会に臨んだ子がいます。参加できたことが大きな自信となり、2学期の初日から心が弾んでいることが見て取れました。これまでの気心知れた友だちとの遊びではなく、自分から「大きな絵を描いてみたい」と言い出し、ひとりでチャレンジし、模造紙に大好きな昆虫の絵をのびやかに描き上げました。「できた!」「かけた!」とジャンプした姿は、まさに自分の中の一つの季節を乗り越えた瞬間でした。2学期になって僅か三日目の出来事です。

それぞれの心の季節にじっくり向き合い、自分の力で乗り越えたと感じられる経験を重ねていけるのが、2学期です。子どもの心の季節を、教師と一緒に支えて、子どものさらなる成長を共に喜び合いたいと願います。