「残念」を「楽しい」に(NO.4)

待ちに待った遠足でした。教師にとってもこれまでコロナで行かれなかった遠足に、やっと子どもたちと行くことができるということで、打合せに時間をかけ子どもが帰った後、下見に出かけ、写真屋さんの手配をしたり着替えを準備したりし、楽しみにしていたことでした。しかし、低気圧の谷間にあってはどうしようもありません。それでも、子どもたちと近隣の公園まで出かけられるかもしれないと、雨雲の隙を狙いましたが、強風も相まって断念しました。
  人生には、このようなことが度々起こります。思ったようにはいかない・・・。楽しみにしていたことが悲しい結果になる時。そのような時、少し前までワクワクしていた気持ちをどこにぶつけたらいいのかと思います。大きな出来事もありますが、日々の小さな出来事の中でも度々起こる事です。

 私が小さい頃、兄と二人で母を挟むように寝て、母はいつも本を読んでくれました。いや、途中まで読んでくれました。母は読むまでは、本の作者や表紙の絵について長い話があります。早く本題に入ってほしいのですがじっと我慢しました。いよいよ読み始めると、いつもいいところで母と兄は寝てしまいます。「赤頭巾ちゃん」のお話は、「おばあさん大きなお口ですね」と赤ずきんちゃんが言うと、オオカミがペロペロ舌を出して「お前をおいしく食べるためだよ」というころまでです。ヘンゼルとグレーテルは、母に森の中に捨てられ、お菓子の家にたどり着き、怪しいおばあさんに出会ったところまでです。私がドキドキしているその横で、兄と母は爆睡しているのです。
私は必死に「こんな話で終わるわけがない」と母の枕になっている本を引っ張って読もうとするのですが、小さい私にはさっぱりわからず、そこからは必死に楽しい話やハッピーエンドのお話を想像して、大いびきが聞こえる中、心を切り替えて、頑張って自分を幸せな気持ちに治めて眠ようということはよくあることでした。そのようなわけで、小学校低学年頃までは赤頭巾ちゃんはとても美味しいお肉を焼いてオオカミに食べさせましたし、ヘンゼルとグレーテルは美味しいケーキ屋さんになってみんなを幸せにしたと言うお話と思い込んでいました。
 今日は、子どもたちにこのような言葉を投げかけました。「残念な気持ちをずっと残念にしておかないで、いいことに切り替えよう。せっかく神様にもらった今日を、みんなに会えた今日をいいことに切り替えよう。今できる楽しいことに切り替えよう。」残念そうにしていた子どもたちは、「切り替えた」「切り替える」「よーし」と言い合いました。
さて、リュックサックを背負って、教会探検が始まりました。1階にあるピアノが本物なのか、ももか先生が弾いてくれました。みんなで歌い出しました。古川先生の勉強のお部屋に入りました。「わー、ソファーがすてきー」と二つの扉を入り口と出口で通り過ぎました。2階の礼拝堂では、それぞれに座り、クラス毎に前に出て歌をうたい合いました。年長組の二人がお祈りをしてくれました。
 「天の神さま 今日の遠足は残念でした。でも教会に来ています。楽しい日になるようにお願いします。ママが作ったお弁当をシートで食べます。ありがとうございます」〜つむぎちゃん
 「天の神さま 残念だけど楽しい日です。教会を探検しています。みんなを守ってください。私たちの力を守ってください」〜あやかちゃん
 教会の3階まで探検し、幼稚園ホールに戻ってきた時には、子どもたちは、「あー楽しかった」「お腹すいた」と言い合っているのでした。教師たちもホールでシートを広げ、楽しそうです。心を切り替え、きっと、いいお天気の日に、散歩に行こうと考えているはずです。

*7月の予定*
7日 わくわく組・広場懇談会、マママフリーマーケット
8日 誕生会
11日 あそびましょ。おはなししましょ
20日 夏祭り
21日 夜まで遊ぶ日
22日 終業式
25日~8月19日 夏休み