助けたり、助けられたり、支えたり、支えられたり(NO.1)

入園、進級おめでとうございます。新しい春の始まりです。

春休みのおひさま広場は、早い春の訪れを誰よりも知っているかのように自転車を乗り回し、雪解け水で遊び込み、春の空気を存分に吸って、やりたい遊びを楽しみ、園庭に咲いたフクジュソウやクロッカスに注視し、連日60人もの子どもたちが、充実した春の時間を過ごしていました。

お昼の時間「わたし、ちいさいこがきたら、たすけてあげるの」と、わざわざ私のところにきて言いました。「あのね こんどたんぽぽぐみになるんだよ。おおきくなったしょ。あいもあるよ」と言って帰っていった子がいました。「ゆりぐみになったら、やりたいことがいっぱいある。ちいさいこがいっぱいになる。だいじょうぶ、よしよしするからね」など、いろいろな子が話してくれました。

大きくなる自分に期待していることが分かります。自分なりの充実を味わって次に迎えることはなんて幸せなことでしょうか。心から、新しくこひつじ幼稚園の仲間入りをした子どもたちに、おめでとう。進級したお友だちにおめでとうと贈りたいです。

 

以前、早期教育系保育のDVDを観た時、「子どもは困難に直面した時、大人の手を借りず、自分一人の力で立ち向かわなければ強くなれない」と言う趣旨の発言があり、ショックを受けた記憶があります。私はこの意見に反対です。

私たち教師は、子どもが困難に直面した時、子どもと原因を探ります。原因が定まったら、その子が自分の力で乗り越える経験が味わえるように、そっと支えていきます。大概の困難は、自分の心の中にあります。自分の心の内側をゆっくりと見つめさせ、自分の在りようを自分で見つけられたら、強い心が生まれます。

困ったことがあった時には、「助けてくれる人がいる」「助けてもらえるのはとても嬉しい」と感じてもらいたい。そして、困っている人がいたら「助けてあげられる人」になって欲しいと願います。保護者もそうではないでしょうか。教師だって同じです。「自分の力だけでなんとかする」という独りよがりの教師は、育ちません。大人も子どもも、困難を乗り越えようとするのは大事なことですが、ちょっとしたアドバイスや、ちょっとした一言が、より良い結果に導かれることがあります。「助けて」と言える人が一番強いと思うのです。そもそも、生きていく上で、一人だけの力には限界があります。支え合い、協力し合って生活するには「助けて」と言える勇気を持つことが必要です。

 

上記の私のところにきて話してくれた子は、少し前まで登園時に泣いていた子でしたし、自信がなく失敗を怖がる子でした。助けたり、助けられたり、支えたり、支えられたりしながら、相手の心も理解できていくものです。

教育は、お互いです。両方が、与えもし、与えられもするのです。

私たち教師も保護者の皆様に支えていただき、教えていただきます。私たちもできるだけのことをお返しできますよう努力いたします。子ども同士、子どもと教師、教師同士もそのような気持ちで歩む一年でありたいと強く願います。よろしくお願いします。

*4月の予定*

3日 始業式

5日 第71回入園式

10日 つぼみ組学級懇談会

11日 ゆり組学級懇談会

12日 たんぽぽ組学級懇談会

13日~27日 個人懇談

28日 誕生会