春、自分で決める喜び、新しい世界の始まりの始まり(NO.3)

春の眩しさの中、子どもたちの歌声、友達を呼ぶ声、笑い声と泣き声などのいろいろな声がこひつじ幼稚園中に響きます。誰もが忙しそうに遊び、やりたいことを見つけて遊んでいます。時には「アスパラを食べていない人いませんかー」と、ゆり組の子どもたちが呼びかけています。毎年、園庭のどこかに立派なアスパラがビュンビュン生えます。それを誰かが見つけ、あれはなんだ?ということになります。今年も衛生面に十分気をつけながら、春の味を感謝していただきます。アスパラを食べたことのない子がチャレンジしようとしています。
今年入園した子で、毎朝泣いてくる子がいます。その子に10時頃園庭で出会うと、笑顔で友だちを紹介してくれました。更に11時頃にトイレの前で会うと、真剣な顔で「もう泣かないの」と決心を伝えてくれました。私が「泣いても大丈夫だよ」と言うと「そうだね。すぐ泣かない(泣き止む)から」と、自分を分析していました。子どもは前に前に進もうとする強い心を持ち合わせているものです。
お弁当前、黙って私の前でズボンを下ろし自信満々の顔つきで立ちはだかっていました。オムツからパンツにしたというアピールをする子がいます。
あまりの暑さに糸のように水が出る長いホースを広げました。しゃがみこんで長い時間動かない子がいます。どうしたのかと子どもに近づくと、糸のような水のその先をじっと眺めています。私も真似をしてみたら、水の糸が少しずつ地面を濡らし、穴をあけていました。「わぁ、すごい!」と思わず言葉が出ました。チョンチョンと指で私の肩を叩き、無言で糸のカーブを指さしました。「虹だ!」と言うと満足そうな顔で行ってしまいました。
「ああ、なんて幸せな世界だろう」とつくづく思います。子どもが子どもらしく生きている世界がここにあります。「泣かない」も「オムツをやめる」も「自転車に乗ってみる」も、「アスパラを食べてみる」も自分で決めることが大事です。子どもにも自分で決める権利があります。その中で自分の考え方を鍛えていくのです。一年をかけて背伸びをさせることなく、それぞれの学年の育ちをゆっくりじっくりと育てていきたいと思います。一年後には、園庭のアスパラのように、びっくりするほどの生命力で「こころ」も「からだ」もビュンと、育っていることでしょう。どの子どもも漏れなく。本当に楽しみです。
 先日は母の日礼拝の後、こひつじ幼稚園の教育について話しをさせていただきました。ありがとうございました。お母様方の真剣に聞いてくださる姿に、感想を寄せてくださる言葉に、私の方が励まされました。母は、我が子がいてこそ母です。教師は、子どもたちがいてこそ教師です。子どもから多くのことを学ばせてもらいながら、保護者と教師が一緒にお子さんの育ちに喜びを感じながら、子どもを豊かに育てられる者になっていきましょう。

*6月の予定*
7日 なにぬねのの日
10日 花の日・子どもの日礼拝
13日 あそびましょ
17日 避難訓練
21日 内科検診
23日 春の遠足
24日 身体測定
27日 歯科検診
28日 なにぬねのの日
30日 誕生会