自信を持って前へ進もう(NO.12)

今年度最後の園便りとなりました。
 みんなでコロナ対策と向き合ってきた日々は、少しずつ終わりに近づいてきているようです。今後も対策は必要ですが、先日のお便りのように教育委員会からコロナ対策の決まりがひとつひとつ解除される報告を受ける度、ほっとします。
 3年前、こひつじ幼稚園は感染が拡大し、1ヶ月以上も臨時休園を余儀なくされました。教師同士も会えない中、保護者からの絶えない感染報告と、長い休園が続いたため、幼稚園の努力が足りないのではないかというメールに苦しんだ暗い記憶です。私たちは、折れそうな心を必死で支え合いました。明るいニュースなど、一つもなかったのですから。それでも、子どもたちとその家庭と教師たちをお守りくださいと祈り続けました。そして、途切れてしまった教育課程を見つめ、なにができるのか必死で考えました。落ち着いて考えると、小さな光が見えてきました。
 私たちは、このことからなにを学ぶことができたのでしょうか。私たちはこの三年間、とても大切な学びをしました。先の見えない日々、折れそうな心をみんなで励まし合うことで支えられるということ、苦しい中にあってもその中でできることを考えるということ、苦しくても前へ進もうとすることがいいということ、またそのような時こそ光を求めること、祈り合えること、健康な身体と心をどのように守るかという事・・・。

このことを俯瞰で見てみると、わたしたちの人生にも、ピンチや苦しいこと、乗り越えなくてはいけないことがたくさんあるのではないでしょうか。今、その中にいる方もおられるかもしれません。私は、小学校4年生の時、21歳の時、28歳の時、32歳の時、40歳の時・・。今思うとどうして?と思うことでも、その時その時の年齢で、悩み苦しんだものです。自分でなんとか乗り越えたり、助けてくれた人がいて乗り越えたり、時が解決してくれたりしたものです。みなさんも経験がおありではないでしょうか。

 幼稚園でも、ある子はケーキ屋さんを実現するためには人数が少ないことに気がつきました。このままではケーキ屋さんはできない。勇気を出して友だちに呼びかけました。そして、友だちが集まってきてくれて仲間と力をあわせ、大人気のケーキ屋さんが実現したのです。
 また、優先生が、つぼみ組の子どもたちに「そんなにお話を聞くお耳がないなら、もうつぼみの先生やめる」と宣言。子どもたちは自分達の態度を見つめながら、優先生が居なくなることを想像し、3歳なりにどうしたらよかったのか、どうしたら優先生の怒りが治るかとピンチに向き合い、「知らんぷりはいけない」ということを学び、最後に一人一人と抱き合って赦しあって、仲良しになろうと言い合って光へ向かいました。

 またある子は、友だちに心無い言葉を言ってしまったことが、学級みんなの問題となり、言ってしまった方も、言われた方も苦しい時間を過ごし、ずるい心はだめなこと、愛がないことはだめなことと答えを見出し、光へ向かっていきました。そして、このような出来事の後に、必ず感謝の祈りをする子がいます。このようなことは、こひつじ幼稚園の生活には日常たくさんあります。楽しく過ごす活動の中によくあるのです。幼児なので、解決したことで、「楽しい日」と表現する子もいるかもしれません。子どもたちは問題と向き合い、弱さのある自分、足りなさのある自分の心を知り、解決していく経験を多くすることで、光へ向かうことがどんなに幸せなことか知っていきます。
しっかりと、問題と向き合い、光を求める力を身につけていくことは、人生を豊かに生きるカギになるのではないかと思います。幼児期に、たくさんの遊びを経験し、そこから自分のやりたい遊びを広げ、向き合いながら、その年齢に合った困難に出会い、失敗し、それでもなんとか問題を解決して乗り越えていく力を身につけさせてきた1年でした。
さて、新しいページが始まろうとしています。力のついた我が子の背中をそっと前へ押してください。次のページもいろいろな困難と立ち向かいますが、私たちの子どもはそのことに負けません。
私たち大人も、コロナ対策と闘ってより強くなったはずです。困難を恐れず、前へ一緒に進みましょう。
一年間、幼稚園をお支えいただき、職員一同心から感謝申し上げます。

*3月の予定*

1日 ゆり組学級懇談会
2日 わくわく組・広場学級懇談会
3日 お別れ会
6日 誕生会
7日 たんぽぽ組学級懇談会
8日 つぼみ組学級懇談会
15日 第70回卒園式
17日 修了式

*4月の予定*

3日 始業式
5日 入園式