これからも (NO.11)

 こひつじ幼稚園は、1月19日で70周年を迎えました。
1954年シェパード宣教師がこの地に幼稚園を開園させたことが始まりでした。その時、集まった子どもは、16人ほどでした。高度経済成長期には、幼稚園に子どもが溢れるほどであったと聞いています。それから時が流れ、経済に比例して、今では少子化の時代になりました。この先10年は、経済の弱体と共に、子どもの教育も難しい時代へと突入していくといわれています。ともあれ、こひつじ幼稚園は、様々な時代を乗り越え、今もこの地で「学校法人札幌ナザレン学園 こひつじ幼稚園」として、幼児教育を守り続け、こひつじらしい新しい風を取り入れながら、生き続けていることに感謝します。これまで4人の園長がキリスト教保育をつないできました。その時代に多くの教師が、教育を支えてきたのです。私は4人目の園長として、これまでこひつじ幼稚園を支え守り続けてくださった教師たちに心から敬意を表します。
1月のお誕生会では、70周年のお祝いに、保護者の皆様のお力もお借りし、「ママゴスペル」の方々に、神さまがこれまでお守りくださったことを感謝して高らかと美しい賛美をしていただこうと計画しています。

ご承知の通り、3学期は一年の最後の学期です。進級・卒園準備等、あわただしい時期です。そのような中、自分を見つめ、自信と不安で心が揺れる時でもあります。私にも、その頃の思い出があります。
私が幼稚園児の頃は、もっともっと雪が多く自分の胸まで雪が積もりました。3学期のある日、園庭で、ふんわり雪の中に寝ころび、空をずっと眺めていました。学校に行きたくなくて、心が揺れていました。どうしたら行かなくて済むかの夢を何度も見ました。「さかえちゃ~ん」と呼ぶ声がしましたが、聞こえないことにしました。ふんわり雪の中の私がすてきだったからです。しだいに雪が降ってきて、私のまつ毛に積もりました。「さかえちゃ~ん」とまた呼ぶ声がしましたが再び聞こえないことにました。まつ毛を動かすと、まつ毛の雪が動く私がすてきだったからです。次第に雪はずんずん降ってきました。手足が冷たくなりました。私を呼ぶ声は聞こえません。だんだん涙が出てきました。もしかしたら、このままマッチ売りの少女みたいに一人ぽっちになるんだ、泣きながらそんな自分もちょっとすてきだと思いました。すると、幼稚園で最も怖いけど、私を一番理解してくれる男らしい女の担任の先生が、低い声で「さかえちゃん」と呼びました。この先生に言われたらあきらめはつくけれど、マッチ売りのお話も、素敵なまつ毛のお話もおしまいになりました。私は、抱き上げられて、職員室のストーブの前で、寒くて震える身体を温めてもらいました。涙目でストーブの火を見ながら、「マッチ売りの少女のお話を知ってるの。この女の子は小学校に行かなかった」というと、先生は「マッチの消えそうな火じゃなくて、ストーブの火みたいに心明るく燃えていなさい」と男らしく言いましたので、「赤ずきんちゃんのオオカミの釜戸みたいのは嫌なの」と言い返すと、「暗いよりいいのです」ときっぱりと言いながら、冷たすぎてしびれている私の足をずっとさすり揉んでくれました。私の気持ちにずっと寄り添ってくださったのだと今になって思えます。母にそのことを伝えると、「マッチ売りも赤ずきんちゃんも途中で終わっちゃったんだから、学校に行って続きを楽しんだら?」とさらりと言われ、私には続きの時間があるのだ」と思えた思い出です。
70年の間こひつじ幼稚園がしてきたように、私たちも子どもたちの心を丁寧に見守り、ゆったりほんわり、子どもの心を支えながら、強い気持ちで前に向かえるよう見守っていきたいと思います。

*2月の予定*
1日 避難訓練(火災)、豆まき
7日 一日入園
8日 なにぬねのの日
13日 なにぬねのの日
15日 レコーディング
16日 誕生会
26日 身体測定