実る時(NO.8)

 ついこの前まで、暑い暑い日々を過ごしていましたが、あっという間に寒くなりました。私は藻岩山に住んでいますが、2階の私の部屋から見える遠いお山は、もう真っ白です。寒暖の差に身体がついていかれず、風邪をひいてしまう子も少なくありません。ひと雨ごとに秋が去っていこうとしています。日本中、世界中、さまざまなニュースがありますが、そのようなこととは別に季節は、確実に変化し巡っていきます。
この秋の運動会も、子どもたちが個々にやりたい事を、また学級で楽しんでいる遊びを運動遊びとして見ていただきました。たくさんの感想をいただき、私たち教師も保護者の皆様と共有していることを噛み締めました。その一週間後には、札幌市幼稚園教育研究大会の公開保育園でした。札幌市の教師に、こひつじ幼稚園の環境や子どもたちの遊びを見ていただきました。その後、私たちの研究を発表する機会があり、参加した教師と学び合うことができました。子どもたちが、やりたい遊びをたっぷりな時間で楽しみ、仲間を感じながら生き生きと自分を発揮させていく姿や、この時期の子どもの成長の様子に、一人一人の子どもを丁寧に関わる教師の姿に、参加した教師たちから、様々な感想をいただきました。その日は教育時間が短くなり、お迎えとなりました。ご協力をありがとうございました。
季節の変化と同じ様に子どもたちの心もさまざまな経験を通し、成長していく時です。ですから、私たちはこれまで以上に子どもの思いを見つめ心の動きを丁寧に見落とさずに見て行こうとしています。
学年ごとに育ちがあります。満3歳わくわく組の子どもたちは、友だちの特徴がわかり、力任せに戦ったり、正確に真似たり、同じ動きを楽しんだり、遊びたい友だちを目で追って探したりするようになりました。
年少組の子どもたちは意地悪を言ってみたり、口では言わないが押して、仲間はずれをして友だちや先生に指摘されて自分の心に気づき、悲しくて泣きながら見つめ直したり、「みんなつぼみ組の仲間だもん」と、喜びを共有する嬉しさを味わったりしています。
たんぽぽ組になると、少し心が複雑になっていきます。複雑さは成長です。わがままでは通用しないことや、ずるく立ち回っているとうまくいかない事、いつも遠慮していては、自分を発揮できないこと、友だちはいるのだが好きだけど、言うことを聞くばかりはいや、命令したら嫌われる・・「だけど、私はたんぽぽ組の大事な仲間なんだ」と、心が複雑に揺れるのです。子どもが苦しい胸の内を母に伝えたその時こそ、母の出番です。決して根掘り葉掘り聞かず、あーしたら、こーしたらと言わず、「悲しいね、残念だね、応援してるよ」と、あなたの味方だと伝えてあげて欲しいのです。解決策は、子どもが考え、決めます。私たち教師も同じです。乗り越えられるよう、学びとれるようしっかり支えていきます。
年長組になると、今時分は、限りある幼稚園生活を思い、幼稚園でやり残しがないように見通しをもって自分のやりたいこと、興味の合う仲間とやりたいこと、学級でやりたいことなどを計画したりしていきます。しかし、みんなで相談したはずが、同じ気持ちとは限らず、目標に向うために何度も話し合ったり、失敗したり、崩壊したりする思いを味わっています。
このように、学年ごとの成長は違いますが、違うことがとても大事です。年少が年長の育ちを望む必要はありませんし、年中が年少の育ちを期待することもおかしな話です。学年の育ちを一つ一つ無理なくしっかり支え、心を豊かにし、自分のステキと自分たちのステキを発揮させていく経験が、二学期後半の育ちに臨みたい事です。
子どもの心も春があり夏があり秋があります。芽吹く季節から、実る季節があり、蓄えの時へと移り行きます。子どもたちは必ず、育ちます。我が子の力を信じて、幼稚園へ向かう我が子の背中を推してあげてください。

*少し前、クワガタの飼育に失敗経験として命に向き合った年長の女の子の祈り。

天のかみさま、明日は感謝祭です。
私たちはいろいろなことに感謝の気持ちでいるでしょうか?阿曽太は感謝の気持ちを発揮します。
感謝祭はただ、ありがとうという日ではありません。感謝の心でいられますように。

*見学保護者と年少組女の子の会話。

見学保護者が女の子に聞きました。  
「今日はお弁当だったの?」
 「そうだよ。お母さんに感謝しなくちゃね。そう言うものよ」
と、年少女の子が堂々と答えました。
見学保護者は、涙いっぱいになりました。女の子はその様子を見てニッコリと言いました。「大丈夫だよ」と。

*11月の予定*
1日 入園受付
2日 ママクラブ音楽隊発砲会
4日 誕生会
8日 避難訓練(地震)
10日 身体測定
17日 なにぬねのの日
22日 アドベント第一週
29日 生活発表会
30日 アドベント第2週