春の光に思う(NO.2)

幼稚園の雪山を排雪してから、あっという間に雪解けが進み、クロッカスとフクジュソウはとっくに咲き終わりました。今年は、春の訪れが早かったですね。フキノトウは既に、ゆり組の子どもたちがフキ味噌煮を作り、お弁当のお供になりました。花は、ままごとのごちそうです。チューリップやスイセン、イチゴの花も咲き始めました。紫ツツジも満開で八重桜の花の芽も膨らみ始めました。やっと訪れた春に励まされます。子どもたちは、ワラジムシやミミズ、ありんこ見つけに大忙しです。
 さて、大きな組の子どもたちは「本当に大きくなったよ」と誇らしい気持ちでお片付けの時間を見計らって、小さい組のお手伝いに来てくれます。ジャンパーを着せたり、鞄を背負わせたりと愛を分けながら、自分が本当に大きくなったことを感じていることがわかります。新しくこひつじ幼稚園に加わった子どもたちは、担任とのかかわりを軸に春の芽吹きのように開き始めています。それでも時々不安な子もいて、自分の居場所の足固めをしつつ、ゆっくり進んでいこうと決めている子もいます。桜でもソメイヨシノは、今頃は8分咲きですが、園庭の八重桜は、ソメイヨシノが散りそうな頃、美しく咲き始めます。「早く」が良くて、「遅く」が悪いなんてなく、どちらも自分のペースがいいのです。
 以前にお話ししたことがあるかもしれませんが、子どもの頃の私は、春が弱く、新しい先生、新しい友だち・・・など、次々と先々を心配する子どもでした。新しい鞄や靴なども買ってもらうのもあまりうれしくありませんでした。もともと寄り道して、学校には給食の時間に到着するのです。ある日、出会ったおじいちゃんの家にお邪魔をしていたら、鼻水に冷たい風があたり、私の鼻の下が赤くただれているところにおじいちゃんが蜂蜜を塗ってくれました。学校へ行く途中、鼻水が流れ、蜂蜜が溶けて口にやさしく入ってくる心地よさを今でも忘れられません。今思うと、周りの大人が私を見捨てず、ゆっくり前へ進めるよう、送り出してくれたように感じます。こひつじ幼稚園の子どもたちにも、ゆっくりでいいと思ったり、おじいちゃんのような自分でありたいと思ったりします。
昨日は、素晴らしい春の光の日、ママクラブの「お花見会」の日でした。普段忙しそうに仕事に追われ、子どもの送り迎えをしてくださるお母さん方が、リュックサックを背負って少女のようにニコニコして園庭にいました。幼稚園の台所では、一人のママが「お花見をしながらみんなでお汁粉を食べるのだ」と、夜なべして作ったお汁粉の入った大きなお鍋を温めなおしていました。白玉を用意してくださったもう一人のママと「行ってきまーす!」と嬉しそうに出かけていきました。その心が、温かいです。嬉しいです。私にとっては、蜂蜜気分です。保護者の皆さんも自分のペースで楽しみながら、幼稚園生活を過ごしていってほしいと願います。小さい子や弱い子を思いながら助け合って過ごすのが、こひつじ幼稚園です。ママたちも、先輩ママのお汁粉をいただきながら、助け合える関係が育っていくことを祈ります。
さて、子どもたちは春の光の中、「やっほー!」と叫び合っています。見ると、誰にともなく、何があるともなく叫んでいます。今日の日は、そのようなうれしい日なのです。春の光を背中に受けて、自分のペースで、自分のやりたい遊びを楽しんでいること、友だちと笑い合っていること、仲間と虫をのぞき込んでいること、そのことがうれしいことなのです。

*5月の予定*

9日 わくわく広場開始
19日 母の日親子礼拝・後援会総会
23日 なにぬねのの日
31日 誕生会