遊び込むは 学びゆく(NO.3)

 先日、「母の日礼拝」が実現しました。3学年のお母さんが一堂に会し、行うことが出来たことは、本当にうれしいことでした。この日を4年間待っていました。改めて母の存在と、共に支えてくださっている父の存在を確認し、感謝したことでした。これからも折りに触れ、親の思いを想像し考え合える時間を作っていきたいと思います。子どもたちからのプレゼントを喜んでくださるお母さんの姿を拝見し、子どもだけではなく、親子でこひつじ幼稚園での時間を豊かに過ごしていってほしいと改めて思うのでした。お時間を作っていただき、ありがとうございました。

子どもたちの遊びには、どの遊びも物語があります。ただただ、遊んで楽しいというのではなく、思いを遊びに乗せていろいろな友達と展開、発展させていきます。今日は、フキの料理をすることになっていました。これにも物語があります。
ゆり組の部屋の前には、大きな「船」があります。学級の仲間と計画し、ハンドルをどのようにつけるか考え合っているのでした。そのうち大工道具を持ち出し、ドリルや金槌で、目的を果たそうとしますがなかなかうまくいかず、様々なアイディアが言葉巧みに表現しています。そこに彩花先生が寄り添い、実現できるように導きます。
船の絵をよく見て、船の壁があったらいいこと、色も塗りたいことを彩花先生に提案していきます。お洋服や手にペンキを付けて帰ってきた子がいたのではないでしょうか。時間をかけて形になるにつれ、気持ちが薄かった子も、勢いをつけていきます。世界地図とにらめっこして、フランスに行くか検討している仲間がいます。リアルなイカダもでき、船の上から大声で、冒険に出発する歌の大合唱です。大海原にいよいよ繰り出す時が来たようです。みんなが一斉に乗り込みました。わくわく組の子どもたちも乗っています。そこにまた彩花先生が寄り添い、実現できるように導いていくのでした。子どもたちは、フキを採って再び乗り組み、お昼にはフキを茹でて、多くの子が筋取していました。

翌日、私はそのフキを切り、フキのきんぴらを作ろうと準備していました。乗組員のHちゃん、Yちゃん、Tちゃんが、手伝いに来てくれました。ヘラでフキを炒めながらYちゃんのお話が止まりません。ヘラにもお話にも力が入りました。どうやらフキ採りの冒険はこのようなことだったようです。

「船がいよいよみんなを乗せて動き出しました。自分もドキドキした。大きな波がどんどんきて、船が揺れそうになった。でもみんながいたから大丈夫と思った。海には、人を連れていく大きな魚が住んでいて、捕まったら大変なことになる。だから急いで泳がなくてはいけない。Nちゃんの人形を作って偽物の人にしてだますことにした。Nちゃんが捕まったら大変なことになる。いよいよ、フキの島に行くことになった。遠くて4時間もかかった。急いで泳いで暗い細道に行ってフキを採って船に返ってきたけど、すごく恐ろしかった。彩花先生も怖いって言っていた。
でもみんな無事だったんだ。このフキ(醤油を入れながら)そのフキなの」
幼稚園のボコボコの園庭は今、ゆり組の子どもたちには人をさらう魚がいる海に見えているのだということを思い、料理をしながら楽しくて幸せな気持ちになりました。
作りながら、外を見るとたんぽぽ組のジャングルも物語を紡いでいます。ジ—ャングルでお弁当を食べていた子が、「私たち、ジャングルにいるの」と、教えてくれました。ももか先生が葉っぱをたくさんぶら下げたスカートを作って、ジャングルの遊びを楽しんでいました。森のジャングルに発展させているようです。
フキのきんぴらを作っている机の周りには、「あーいい匂い」と、様々な学級の子たちが集まってきます。「味見する?」「お砂糖を舐めるいたずらできる?」「お風呂みたい」「これがフキなんだね」
「あー、楽しみ」「この大きな鍋、どこで買ったの?」「さかえ先生フキロボット怪獣になって」 3人のお姉ちゃんにお礼を言う子もいます。ここはここで、いい匂いの世界を物語にする子どもたちがいました。ひとつひとつの子どものお話を楽しんでいるうちに、フキのきんぴらが出来上がり、子どもたちは、あっという間に散っていきました。物語はお終いということでしょうか。

憧れ・惹かれる(いろいろな人に出会う・ものと出会う・その世界に身を置く)

浸りきる・成りきる(見立て遊び・ファンタジー・思考錯誤・自分事)

遊び込む(持続発展的深化・変化・高まり)

何度も何度も繰り返し、いろいろな表現や知識や技術を学び、知恵を活かしあってコミュニケーションの力を身に付けていくのです。

教師は、この自由な渦の中で展開される遊びに寄り添い、個々の様々な心の動きに注視し、「遊びの学び」を大事にしていきます。

YちゃんとHちゃんが言いました。「あのね。フキのきんぴらを全部食べても、まだ海を泳いでいけば、フキはいっぱいあるよ。また作れるよ」「そうそう、ヨモギもあるから、ヨモギ餅もね」

物語は明日も続きます。楽しみですね。

彩花先生が放課後、「今日も楽しかった~。みんなかわいかった~。」と言って職員室に戻ってきました。その後、先生方が、職員室に戻ってきました。とても疲れた顔ですが、みんな充実した顔です。

子どもも、教師も共に遊び切る幼稚園を園長として、心から嬉しく思うのです。

*6月の予定*

1日 学級代表顔合わせ
6日 なにぬねのの日
9日 花の日・子どもの日礼拝
16日 避難訓練
20日 内科検診
22日 春の遠足
23日 身体測定
26日 ゆったりしましょ 
27日 なにぬねのの日
28日 歯科検診
30日 誕生会